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2013年11月

2013年11月30日 (土)

蒸機を作ろう(12)

ボイラーを作ります。基本的には円筒形なので形状は簡単ですが、下回りの大きなモーターマウントとPCボードを避けるために工夫がいります。この部分はサイドタンクの内部とボイラーの下部に収まるようにします。
まずはボイラーの直径に合う円を書いてボイラーの長さに引き伸ばします。

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ボイラーの下に切り欠きを入れます。ボイラー端面の下部に半円を書き、引き伸ばしの逆で切り欠きます。

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これに横板と縦板を付けてサイドタンクと合わせます。ボイラー下部に四角い空間が出来ました。

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ボイラーとサイドタンクを下回りに置いてみて、様子を見ましょう。あれ下回りの出っ張りがボイラー下の縦板と干渉してますね。ボイラーの下に黒っぽい出っ張りが突き出しています。どうしましょう。下回りを削ってもいいのですが、出来ればそのままで使いたいのでボイラー側を削りましょう。

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闇雲に削るわけにもいきませんので、まずはどこがどのくらい干渉するのか正確に知る必要があります。
そこで登場するのが分析ツールです。大抵の3DCADソフトには分析ツールが入ってまして、こんな時には重宝します。

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上の図で青い部分が干渉している個所です。分析ツールは干渉している場所と干渉部分の体積などを示してくれます。そこでこの部分を削ることにします。

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ボイラー下部の縦板に、内側から干渉部分を切り欠きます。

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再度分析ツールで検証し青い部分が無くなっていればOKです。少し大きめに切り欠きをいれたので問題ありませんでした。
これで何とかボイラーが出来ました。次はボイラーの前の煙室部分ですね。

2013年11月28日 (木)

蒸機を作ろう(11)

サイドタンクを作ります。基本的には長方体を作るだけなので簡単な部品です。ただし雨宮蒸機のサイドタンクには2つの特徴がありますので、そこは外せません。
第一の特徴はサイドタンクの形です。奥行きが少なく、その割には高いタンクです。狭いスペースに最大限の水容量を確保するためでしょうか。
第二の特徴は、タンクの下部に四角い切り欠きがあります。ここにバルブギヤの一部のリンクが入るようです。タンクは逆凹形になりますが、ここはあまり拘らずにカバーを付けただけの形状にしましょうか。メーカーカタログでは雨宮12トンはカバーを付けていました。

まずはいつも通り平面図に長方形を書き、それをタンクの厚さぶんを張り出して長方体にします。

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次に下回りの動力装置や電子基盤との干渉を避けるために内側を繰り抜きましょう。タンクの内側に長方形を書き、今度は逆にへこませます。こんな感じで右側のサイドタンクが出来上がりです。

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前述の通り、サイドタンク下部の切り欠きは省略してカバーですませます。簡単にカバーを作りました。このカバーは下開きで開きます。

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下回りに右側のサイドタンクを載せてみて様子を見ます。下回りと干渉は無いようです。

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問題なさそうなので、同形の左側サイドタンクを作り、下回りに載せてみます。これで雨宮の特徴的なタンクに見えるでしょうか。寸法は後でいつでも変えられます。

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別の角度で検証しましょう。3Dソフトは回転や拡大などは自由に出来ますので、完成時の形態をイメージすることが出来ます。

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まあよしとして先に進みましょう。次はいよいよボイラーですね。簡単な作り方を考えましょう。

2013年11月26日 (火)

3Dソフトを使おう(3)

日曜日にナローモデラーの集会がありました。ここに参加される方はプロ級の腕のある方や気鋭のキットメーカーさんなど、その道の達人揃いなので、このブログなどは皆さん読んでいないと思っておりました。蒸機の作り方など釈迦に説法ですし、素人同然の製作記など皆さんには何の参考にもならないと思っておりましたが、あにはからんや毎回読んでいるよという有難いお言葉を結構お聞きしました。意外でした。

恐らく稚拙な蒸機作りなどは読み飛ばして、3Dモデルに興味があるのではないかと思います。
3Dプリンターが普及して自宅でも簡単な部品が作れれば、その影響は大きいと思います。部品を模型屋さんに買いに行ったり、旋盤を回して自作するなどの手間が無くなりますし、何より、オリジナルの部品や車両が自宅で簡単に、しかも大量に作れますので、模型作りも変わってくると思います。

3Dプリンターの普及は、流通や製造の根幹を変えるかもしれません。インターネットが情報の革命なら3Dプリンターは製造の革命になると思います。必要な物は購入するより自分で作るのが当たり前の時代が近づいています。数年では無理でしょうが、今の技術進歩の速度から考えて、10年くらいで高性能な3Dプリンターが一般家庭にも普及すると思います。

とはいえ、3Dプリンターでの模型作りを推奨しているわけではありませんので誤解のないようにお願いします。既製品は簡単に手に入るというだけで、その時代になっても手作りが無くなるわけではありませんし、ますます手作り模型が貴重な時代になるように思います。鉄道模型作りも、フルスクラッチか3Dプリンターの利用に2極化されていくのでしょう。

前述のプロ級モデラーの皆さんは前者でしょうが、ろくなスキルもない筆者は間違いなく後者ですね。「蒸機を作ろう」の続きを書くつもりでしたが、皆さんの素晴らしい作品を見せていただいて、つい脱線してしまいました。出来れば3Dプリンターなぞを使わずにすむ工作スキルを持ちたいものですが、今更無理ですね。

2013年11月23日 (土)

蒸機を作ろう(10)

キャブの屋根を作りましょう。3Dで作る場合、膨らませたり削ったり、色々なやり方がありますが、ここはテクニックを述べる場ではありませんので、初心者の方でも出来そうな一番簡単な方法で作ります。

余談ですが、何事もそうですがシンプルイズベストは3Dの世界にも当てはまります。最終的に同じ形状が出来たとしても、シンプルな手法で作った3Dデータはデータ量も少なく、ソフトの立ち上げや転送時あるいは3Dプリンターでの製造時に有利となります。出来るだけ簡単に作ることを心がけたいものです。

屋根は工作では四角い真鍮板を切って、屋根の曲線に沿って曲げればいいのでしょうが、3Dではまず曲げ屋根の断面形状を書いて、それを引き延ばして作ります。
断面図ですが、妻板の屋根のカーブに合った曲線を下にひき、それの外側に肉厚を付けます。左右の底の平行な部分は側面の庇になるところです。

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これを引き伸ばすと屋根になります。屋根は妻板の前後より少し出っ張るくらいに延ばします。

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このままでもいいのですが、薄板で強度が心配です。キャブに固定してしまえば問題ないのでしょうが、屋根を取り外せるように、下に一枚薄い板を付けておきました。

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これで屋根は完成です。ディテールや細かい部品は最後に考えるとして、先に進みましょう。
3Dソフトを使おう(2)で学習しましたアッセンブリー機能を使って、屋根をキャブに載せました。こんなもんでいかがでしょうか。

炭庫が出来ていませんでしたので、一枚板を取り付けました。炭庫をブロックにして炭庫なしの蒸機にすることも出来ますが、ここはシンプルにそのままにしました。

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これでキャブは一応完成で、次はサイドタンクを作りましょう。サイドタンクは長方形を作って中を繰り抜くだけですので簡単ですが、次回に致しましょう。






2013年11月21日 (木)

3Dソフトを使おう(2)

3DCADと3DCGの違いについて少し補足しておきます。機械系で数値で定義できるものが3DCAD、アート系で数値で表わすは難しいものが3DCGと言いましたが、言葉ではピンとこないかもしれません。
例えば、下のナットのようなものは3DCADが、足の形状のような複雑なものは3DCGが向いています。

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どちらも3Dデータには違いないのですが、実は大きな違いがあります。
3DCADで作られたものはソリッドモデルと呼ばれ、中身がぎっしり詰まっています。ソリッドモデルは立体で、体積と重量、重心を持ちます。断面ももちろん中身があります。
これに対し、3DCGで作られたものはサーフェースモデルと呼びます。サーフェースモデルは表面だけで、中は空洞です。流麗な外見のデザインを検討したり、可愛いフィギャーを作りたいなら、表面だけで十分ですので3DCGの出番です。
我々が作るのは鉄道模型という機械の塊のようなものですので、3DCADが向いているのは言うまでもありません。

次に第2の必要条件となりますアッセンブリについて解説しましょう。
アッセンブリとはつまり組立のことです。簡単に言いますと複数の部品を組み立てる機能です。蒸機を作ろう(9)でもお見せしましたが、キャブの側板や妻板を下回りに配置してみるのも、このアッセンブリという機能があるからです。鉄道模型のように多数の部品で構成される複合物は、この機能が必須です。ところがこのアッセンブリ機能がない3DCADソフトも存在しますので注意が必要です。

この理由は簡単です。アッセンブリ機能を必要としないデザインもありますし、また分担して設計する時には、全員がアッセンブリ機能のあるソフトを持つ必要もありません。
例えば、ボルトやナットなどの単一部品を製造する町工場ではアッセンブリ機能のあるソフトを必要としませんし、大きな会社でも機械を分担して設計する場合は、一人がアッセンブリ機能を持つソフトで組立の仕事をし、他の人はアッセンブリ機能のないソフトで個々の部品を設計すればすみます。

アッセンブリ機能のあるなしでソフトの金額はかなり変わりますので、ここは慎重に選びましょう。ちなみにAutoCADはアッセンブリ機能がありますが、廉価版のAutoCAD LIGHTにはありません。

第3の必要条件のSTLで出力できることは、3Dプリンターで作るためには欠かせない条件です。どのような3Dソフトで作ろうと最後にSTLと呼ぶフォーマットにデータを変換出来なければ、3Dプリンターが読めません。最近は3Dプリンターで作ることが当たり前になってきましたので、STLフォーマットで出力できるソフトが増えていますが、対応していないソフトもありますので注意してください。

以上、3つの必要条件を満足する3Dソフトならまず問題ありませんが、これで十分ではありません。あとは金額の問題とかソフトとの相性とかいろいろあり個人差があります。その辺の話はまたの機会に致しましょう。

2013年11月20日 (水)

蒸機を作ろう(9)

次はキャブの妻板を作りましょう。キャブ側板の作りかたと同じで、平面図に厚みを付けて立体にします。
まずは前方の妻板です。下方にモーターが入る火室部分を切り取っておきます。窓は長方形でコーナーに少しRを付けておきました。平面図はこんなもんでしょうか。

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これに厚みを付けて完成ですが、窓枠部分を少し張り出しておきました。
雨宮の写真ではこの窓は回転窓で、中央部の上下のヒンジで回転するようです。
Oナローでは出来ないこともないでしょうか、今回はそこまで凝る必要もないのでパスしました。

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次は後方の妻板です。これも作り方は同じですが、窓をどうするか悩むところです。
雨宮蒸機は、写真では一枚窓や、前方妻板と同じ2枚窓、4枚窓など各種あるようです。
好みで何でもいいのですが、まずは一枚窓で作ってみました。

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これでもいいのですが、何か寂しいので窓枠を付けて4枚窓にしてみました。このほうが雨宮ぽいかもしれませんね。

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キャブの側板と妻板が揃ったところで、下回りと合わせてみます。うーん、なんか少し蒸機らしくなってきましたね。

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そうそう次は炭庫と屋根を作らないといけませんね。屋根は曲線で少し面倒臭そうです。

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3Dモデルと言っても個々の部品はそれほど複雑なものでもありませんし、厚手のボール紙をナイフでカットして組み立てるのに似ています。そういえば、昔ペーパーで作るC62の本が売っていましたが、それが役に立つかもしれません。ボール紙工作がパソコン工作になっただけでモノづくりの本質は昔も今も変わりません。

ここまでご覧になった方は、これならオレにも出来そうだと思われませんでしたか。3Dソフトで作るといっても特別なことではありませんし、さほど難しいものでもありません。これを機会に3Dモデリングを始めませんか。楽しいことは受け合います。

2013年11月17日 (日)

3Dソフトを使おう

いきなり3Dソフトで作り始めたので、面喰っている方もおられると思います。また初めて3Dソフトでの製作をご覧になった方は、3Dソフトに興味を持たれた方もおられると思います。世間では3Dプリンターが話題になっていますが、3Dソフトで作ったデータが無ければ3Dプリンターは何も出来ません。これからはますます3Dプリンターが普及すると思いますので、3Dソフトについて少し触れておきます。
とは言っても、このブログをご覧になっておられる方は、鉄道模型の趣味の方でしょうから、車両や建築物などの製作に使える3Dソフトに限定してお話します。

まずは、どのような機能のある3Dソフトが必要か、あるいはどの3Dソフトを買えば良いのかなどを述べてみたいと思います。もちろん個人的な見解ですので参考程度に留めてください。

さて、鉄道模型作りに適する3Dソフトは、最低限3つの条件を満足することが必要です。
1.3DCADソフトであること。
2.アッセンブリが出来るソフトであること。
3.STLで出力出来るソフトであること。

今や3Dソフトは山ほどありますので、これらの中から3つの条件を満足する3Dソフトを選びます。とは言っても初心者の方には至難のことと思いますので、あとで既製品をご紹介しましょう。

この3つの条件について少し解説しておきます。
まず1.ですが、3Dソフトには大別して3DCADと3DCGの2種類があります。3DCADは機械や建築など工業系の製造に向いているソフトです。3DCGはアニメやフィギャーなどアート系に向いています。
簡単に言うと長さや角度など数値で定義するのが3DCADで、マウスで線をひいたり曲げるのが3DCGです。定規で書くのか、手書きかの相違です。機械物は数値で定義できますが、例えば人間の表情など複雑な曲線は3DCADでは無理で、3DCGが適しています。つまり用途によって3Dソフトを選ぶ必要があります。もしも運転手などの人形を3Dソフトで作られるなら3DCGソフトのほうが向いています。

3Dソフトの製品には2種類ありますので、購入前には必ず確認してください。カタログやソフトの箱の裏にはどちら系のソフトか明記してあります。

長くなりますので、2と3の条件は次回に致しましょう。

2013年11月14日 (木)

蒸機を作ろう(8)

”はまとんさん”のコメントにありました金田さんの「国鉄軽便線の機関車」が届きました。鮮明な写真と図面が満載で素晴らしい本です。他にも興味深い機関車がいろいろありまして目移りしますが、まずは雨宮12トンを作りましょう。
お教え頂いた通り、形式ケ218、ケ230が雨宮の12トン原型に近いです。雨宮は不明な点が多かったのですが、これで何とかなりそうです。”はまとんさん”ありがとうございました。

外形寸法と原型に近い写真が手に入りましたので、先に進めます。まずは簡単なところからキャブの側板から作ります。キャブの寸法は図面から割出し、外形図を書きます。上辺を斜めに切った炭庫の形状が雨宮の特徴です。

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次に出入り口の部分を切り抜きます。ここも雨宮の特徴の一つで、曲線で構成された切り欠きが他の機関車にはない優雅さを感じさせます。実用的にはどうかと思いますが、雨宮のアイデンテティを十分に発揮する個所です。

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平面図に厚みを付ければ側板の出来上がりですが、ただし、このアール形状では強度的に不足するとみえて、実車では周りに補強板がついています。これも簡単に周りを少し持ち上げます。

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左の側面が出来ましたので、右の側板も同じ寸法で作ります。
側板が両方出来たところで、床板に側板を乗せて様子を見ます。まあこんなもんでしょうか。

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まずはどんどん部品を作っていき、全体が出来上がったところでバランスを見て部品を修正をします。このあたりが3Dで作るモデルの面白さで、個々の部品の寸法変更など何時でも簡単に出来ますので、まずは全体を作ることを優先します。
次はキャブの妻板を作りましょう。

2013年11月12日 (火)

蒸機を作ろう(7)

ではそろそろ作り始めましょう。何事も土台が大事です。まずはキャブ床板/デッキから作ります。
蒸機を作ろう(5)で寸法に触れましたが、幅は40mmでいいとして、長さが問題です。バックマン・サイドタンクの前方の端梁(エンドビーム)は木目のある木材にステップが付いてますが、ロギング用の機関車ならともかく、雨宮には似つかわしくありません。

これを切り取って新たに端梁を作るのも良いのですが、この部分はフレームと一体のダイキャストで切断も大変そうです。出来るだけ簡単に作るのはモットーですので、プラのステップは外して、そのまま使うことにします。つまり上から被せてしまうわけですが、これでバックマン・サイドタンクのカプラー(EZカプラー)がそのまま使えるメリットもあります。

1.5mm厚の長方形の板を作り、これにモーターマウントおよび煙室支えの部分を避けるように開口部を作ります。

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次に、キャビン床板とサイドタンクの位置決め用に一部をかさ上げをします。

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下に前後の端梁を伸ばして、曲線の切り欠きを入れます。これは雨宮蒸機の特徴です。更に端梁を四角く切り抜いてカプラーポケットを作ります。

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出来上がったキャブ床板/デッキをバックマン・サイドタンクの下回りに合わせると、こんな感じになります。3Dソフトではこのようなシミュレーションが自由に出来ますのでイメージが掴みやすく、設計変更も簡単にできますので大変楽です。

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おっと、大事なことを言い忘れました。いきなり床板から作り始めましたが、全体の設計図がありませんね。普通は図面をひいてから作るのでしょうが、私は図面を書きません。
もちろん適当に作っているわけではなく、蒸機を作ろう(5)で述べたような竣工図などの主要寸法を参考に、外形の寸法を頭に入れて、図面や写真を見ながら各部を作ります。
フリーランスですので寸法にこだわる必要もなく、全体の雰囲気を重視し、バランスを見ながら各部の寸法を決めていきます。

極論で申し訳ありませんが、2DCADで三面図を書いて、その通り作っても模型にはなりません。模型としての微妙なイメージは三面図では伝わらず、実際の模型に近い3Dソフトで立体的に再現してみて初めてイメージが掴めます。
三面図を否定している訳ではありませんが、三面図を書いてもその通りにはならないので初めから作りません。3Dで模型が完成すれば三面図はソフトが作ってくれますので、最後には三面図をお見せできます。

これから毎回少しづつ各部を作っていきます。何やら隔週発行のデイアゴスティニーの本のようになってきました。何回になるか分かりませんが、最後には「多分」完成すると思いますので、気長にお付き合いください。

2013年11月10日 (日)

蒸機を作ろう(6)

蒸機ももちろんですが、模型を作る前に決めておかなければならないことがあります。
何の材料で作るのか、どのように作るのかです。これは一点もの(ワンオフ)にするか、キットにするのかなど、目的によっても違ってきます。

例えば一点ものであれば、真鍮板やプラ板を切り出して手作りで作るでしょうし、小型の旋盤をお持ちなら煙突などを自作されることもあると思います。これらは現物合わせでいかようにも修正できますが、キットとなると部品の精度や組立方法なども気をつけないといけませんので、手作りには限界があります。
エッチング加工やレーザーカット、あるいは3Dプリンターで作るにしても、機械の力を借りなければ精度のよいものは出来ず、キットにはなりません。つまり自作車両とキットでは製造方法が違うのです。

そこで今回の蒸機ですが、どうしましょう。「蒸機を作ろう」の初回で書きましたが、今回はキット化を目的としていません。来るべき蒸機キットの製造のため、今回は蒸機作りのナウハウを得るのが目的なのですが、万一うまく出来て頒布のご要望があれば、少数作ってお知り合いの方にお配りしてもいいかなと思っています。

そんなわけで一応キット化も可能なように作ってみます。3Dソフトで設計し、3Dプリンターで原型を作ります。そこから先は複製・量産、キット化の作業ですが、エッチング板にするか、ホワイトメタルにするか、あるいはレジンキットにするかは最後に決めることにします。

奇妙に思われるかもしれませんが、これは今年の軽便祭の記念品「十勝鉄道キハ1」で実証しておりまして、3Dデータから、厚さを変えるだけでエッチング板でもホワイトメタル原型でも何でも作れることが分かりました。手前味噌ですが、エッチング原図を作るには3Dソフトのほうが簡単です。

既製品では、バックマンCタンクを使ったOナロー改造キットにバックウッズ・ミニチャーのCタンクがあります。写真の通り、このキットはキャブやタンクにエッチング板、煙室や煙突類にホワイトメタルを使う金属キットです。重い部品を前方に配置したことでバランスも良く、牽引力もありそうです。エッチング板主体で作るならこんな感じになりますね。

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2013年11月 8日 (金)

蒸機を作ろう(5)

まずは雨宮標準12トンCタンクに決まったところで参考資料を集めます。意外なことに雨宮12トンCタンクは保存蒸機を含め現存せず、写真や竣工図などで現役時代の姿を想像することになります。
著名な雨宮12トンCタンクには尾小屋で初期に活躍した1,2号機がありますので、この竣工図から主要寸法を割り出します。全長5,784mm、全幅1,901mm、全高3,048mmですので、1/48ではそれぞれ120mm、40mm、64mmになります。

もっとも何度も述べてますが、バックマンのサイドタンクを下回りに使用するフリーランスモデルですので、その寸法通りに作るわけでもなく、数値は参考に過ぎません。ただこれらの数値は設計をするうえで目安として役立ちますし、何より全体のバランスを考えるうえで貴重な情報です。
バックマンサイドタンクの下回りは、全長(連結器含む)120mm、全幅(シリンダー外側間)36mmですので何とか収まりそうです。

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RM LIBRARY 「尾小屋鉄道」より抜粋

それと雨宮の蒸機を作るうえで雨宮の特徴を押させておく必要があります。その部分を強調して作ると、より雨宮っぽい蒸機になります。側面図だけでは分かりずらいのですが、雨宮の蒸機には見たところ次のような特徴があります(ほかにもあると思いますが)。
1.キャブ側面の大きなアーチ形状の出入り口
2.斜めに切った炭庫上部の形状
3.細く高い、大きなサイドタンク
4.端梁(エンドビーム)のアーチ状の欠き取り
5.曲面を多用した独特の細い煙突
6.小型機に似つかないゴツイ煙室扉
7.サイドタンク下部の切り欠き、または点検蓋

などなど、他の小型機には見られない多くの特徴が見られます。コッペルやクラウスなど当時輸入されていた小型蒸機を参考にして作ったのでしょうが、機能一辺倒でなくデザインにも相当気を配っていたように思います。
雨宮の軽便客車もそうですが、雨宮はアーチ形状を多用しており、ヨーロッパのアールデコの影響もあるのでしょうか。斜めの炭庫の形状も、何故このようにしたのか理由が分かりません。石炭の搭載量が増えるわけでもなし。全体のデザインを重視した結果としか思い当たらないのですが、どなたか理由をご存じでしたらお教えください。

2013年11月 6日 (水)

蒸機を作ろう(4)

候補の軽便機関車が出揃ったところで、そろそろ製作に取り掛かりましょう。
前回までで候補はコッペルCタンク、ポーターCタンク、ボールドウインCタンク、雨宮Cタンクでした。出来れば全部作りたいところですが、まずは雨宮Cタンクから作りましょうか。次はポーター、ボールドウインに行きます。コッペルは余力があればチャレンジします。

なぜ雨宮から作り始めるかですが、この中で一番難しそうだからです。ポーターは当たり前ですが、ボールドウインも煙室からシリンダーブロックなどの車両前方部分がバックマン・サイドタンクに酷似していて、あまり苦労なく上回りが出来そうな気がします。ここは一番難しそうな雨宮に挑戦して、蒸機作りの経験とコツを学びたいと思います。失敗も多いでしょうし、経験豊富な皆さんから見れば可笑しなことも多いと思いますが、暫くは笑ってお付き合いください。またコメントをどんどん入れて頂くと勉強になります。

さて雨宮Cタンクと言っても色々あります。中川浩一さんの「軽便王国雨宮」の蒸機を見ますと762mm用の標準型Cタンクは12トンと16トンです。12トンと16トンの差は動輪径が610mmと762mm、固定軸距離が1,676mmと1,981mmです。蒸機を作ろう(2)で触れましたがバックマンサイドタンクの動輪は実物換算で600mm、軸距離は1,680mmですので、雨宮標準型12トンがぴったりです。まずは12トンでいきましょう。

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丹沢新社「軽便王国雨宮」より抜粋

ただ皮肉なことに、軽量のCタンクではメインロッドが第三動輪に掛かるケースが多くなります。雨宮12トンも第三動輪なのですが、ここは眼をつぶってバックマンサイドタンクをそのまま使うことにします。バックマンの下回りをそのまま使用する以上、フリーランスモデルですので、出来るだけその雰囲気だけは残すようにしますが、スケールモデルではありませんので、実物と多少違ってもご勘弁ください(いつものように、初めに言い訳から入ります・・・)。

2013年11月 4日 (月)

Oナローの動力

蒲田で日本鉄道模型ショウがありまして出店しておりました。軽便祭からひと月もたっていませんのでナローは全般に低調だったように思いますが、それでも面白い製品もありました。Oナローの動力に使える動力ユニットが、各社から発売されました。

まずはワールド工芸さんの1/80、16.5mm動力ユニット組立キットです。京都市電700に合わせて作られたようですが、この動力ユニットの車輪径は8.3mm、軸距離は17.5mm、ギア比 1:26ですが、ボギー台車間の距離は自由にできますので、軽便気動車や軽便電車には好適と思います。早速購入しました。

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ワールド工芸さんH.P.より

アルモデルさんもOナローの動力に使えるものを何種か出してくれました。まずは加藤4トン海軍マーク付きの動力が分売されました。アルパワーHO-20動力装置で、車輪径 10.5mm、軸距離20mm、ギア比 1:42で、Oナローの動力車には格好のものと思います。アルパワーのHO-20動力装置は、綸芯にスポーク動輪のものを貼って、小型Bタンクの動力にそのまま使えると思います。

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アルモデルさんH.P.より

更に雨宮HO 2軸ガソリンカーの動力となる HO-1軸駆動動力キットも分売されまして、これも期待できます。1軸駆動ながら大きなモーターとウエイトで牽引力はありそうです。Oナローの単端などに十分使えそうです。いつかはこれらの動力を利用するキットでも作りたいと思います。

そんな訳で蒸機作りは進みませんでしたが、各メーカーが動力ユニットを積極的に発売されるお蔭で自作車両の環境は整ってきたようです。

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